京都の空き家管理 火災保険・家財保険


空き家につけられる火災保険

京町家
火災保険は、いろんな種類がありますが、物件によってつけられる保険の種類が決まり、料率がかわります。

損害保険の場合、建物は大きく分けると
 「住宅物件」
 「一般物件」
 「工場物件」
 「倉庫物件」 の4つに分けられます。

「住宅物件」は、住居としてのみ使われている建物を指します。
「一般物件」は、店舗や事務所として使われている建物を指します。 空き家は、「一般物件」に含まれます。
住居として使われているわけではないからです。

一般物件の場合、「住宅火災保険」「住宅総合保険」といった住宅用の火災保険には入る事ができません。 「普通火災保険」または「店舗総合保険」に入る事になります。
なお、空き家といっても、別荘のように家財が備えてあって、季節によって居住する場合は別です。
いままで、住宅物件用の保険に入られていたとしても、約款が変わってしまう関係で、異動処理はできません。 今の保険を解約して、一般物件で入りなおす必要があります。

普通火災保険の補償範囲

火災・落雷・爆発・台風による暴風雨や異常な豪雪の場合補償されます。
ですので、補償内容は、住宅火災保険とほぼ同じです。但し、2〜3割ほど料率が高くなります。

地震保険や家財保険の特約も付保できますが、空き家の場合、地震保険に加入できない場合もあります。 水漏れ・水害・盗難なども補償しようとすると、店舗総合保険になりますが、大変割高になるのでお勧めしにくいです。

保険会社によってはそもそも空き家の火災保険の引き受けを断っているケースもあります。

保険金の考え方

京町家の火災
保険金については、以下の理由から、高額な保険は差し控えるべきだと思います。

1)経年減価率による評価
日本の場合、建ててから数千万もかけて改修した建物も、築年数が長ければ評価は大変低くなります。
いくらよい建物でも年数が経てば経つほど価値がさがります。(残念な事ですがこれが現実です)

2)時価評価額が低い
住宅物件(=人が住んでいる)の場合は古くなっても新価の50%は時価額として認められますが、一般物件(=空き家)の場合は築年数がそのまま時価評価額に反映してきます。
設定する保険金をそれなりに減らさないと、掛けすぎの状態になってしまいます。

3)すぐに建替える必要がない
空き家のため、すぐに改修(または新築)しないと住む場所がないというわけではありません。

火災は大変残念な事ですが、建物自体古いので、万が一火災によって焼失しても、跡片付程度が補償されればよいというのも一つの考え方です。
建物の大きさや意匠にもよりますが、保険金額を500万〜700万あたりでかけられるのが適正かと思います。この場合、地域・仕様によって費用は異なりますが、年間2万円以下に納まります。

詳しくは、直接保険代理店に確認するか、資料を取寄せて確認されることをおすすめします。
(もちろん、当NPOでも安心できる代理店を紹介しています)

火災保険の加入を断られる場合

共済保険ですと空き家は引き受けしていないと思います。
共済保険の場合リスクが大きく、「燃やしたほうが得」な物件を排除することが困難だからです。
一方、大手損保なら引き受けてくれることもあります。
最近は、保険代理店がたくさん増えてきたので、引き受けてくれる会社を選べばよいと思います。

火災を起こさないために

空き家で火災が発生するケースとしては、
(1) 漏電
(2) 放火

が考えられます。

前者は、退出時にブレーカーを落としておく。
後者は、周りをきれいに掃除をしておき、燃えるようなものを放置しないことが重要です。

また、ガス漏れを防ぐためにもガスを開栓している場合は、必ずメーター際のバルブで止めておいたほうがいいと思います。

空き家の家財保険

空き家の家財保険
家財は生活関連の動産です。
タンス・ソファー・テレビ・ピアノなど空き家になったときに残してきたものです。

しかしながら、掛け軸、壺、茶碗、反物、宝石などで、1個または1組の価額が30万円超のものは、明記物件と言われるもので明記物件として別枠で補償をつける必要があります。

さらに明記物件はその金額の根拠資料(例えば鑑定書など)が必要になりますので、これが用意できないと保険契約の引き受けが難しくなります。

できましたら、そうした高価なものは空き家に残しておかれないようにしてください。
当NPOが管理する場合(特に鍵をお預かりして出入りする場合)不用心ですので、ご自宅にお持ち帰りいただければと思います。